2018年6月号・・コチョコチョ・ダッシュ・・

1・・・コチョコチョ・ダッシュ・・・

仮設の集会所で指圧をしていると、立膝になってる足の裏を誰かがコチョ
コチョとくすぐって逃走 ! 知らないおうちのベルを押して逃げるピンポン・
ダッシュのコチョコチョ版です。 犯人はこの界隈でちょいと知られたコチョ吉
こと本名・凛 4つになる男の子。いつからか大人の脇や首や足の裏を
くすぐっては逃げるコチョコチョ・ダッシュを覚え、仮設じゅうの大人を襲撃!
仮設は恐怖のルツボに。 といいつつみんな襲われるの待ってるようで。

2・・・仮設で生まれ、仮設で育つ・・・

震災から3年後に凛くんは仮設で生まれました。おばあちゃんとおじいちゃん
とお兄ちゃんを失ったことお母さんから聞いています。そのお母さんは凛くん
を生んで2年後に亡くなりました。心の病だったそうです。小さな凛くんに
とってどんなに辛い事だったか。でも凛くんは皆に支えられながらお父さんと
頑張っています。ある時、仕事から疲れて帰ってきたお父さんの肩をもんで
あげたらくすぐったがりながらも、とても喜んでくれたのがきっかけでコチョ吉
の世界に入ったようで。

3・・・もう一匹のヒヨコさん・・・

コチョ吉の襲撃は防ぎようがないので一計を考えました。 靴下の足裏に
笑ってるヒヨコの絵を描いておいたのです。まだくすぐってないのに、すでに
笑ってるヒヨコに犯人はどんな反応をするか! 後ろから近づく犯人の気配、
ところがコチョコチョなしで行ってしまいました。あれっ?と思う間もなく戻って
きて足裏に何か描き始めました。治療終わって見てみるとヒヨコの横に
少し大きめのもう一匹のヒヨコさん。「あらっ可愛い! 友達のヒヨコさん?」
と聞くと「お兄ちゃん!」と・・・。以来仮設行くときはいつも二匹のヒヨコさんと
一緒に。何故かいつも足元温かく。